長年、バレーボールの全日本代表とV・プレミアリーグで司令塔として活躍し、2009年以降は全日本主将も務めた34歳の宇佐美大輔(パナソニックパンサーズ)が、4月14日、現役を引退した。長い現役生活を締めくくる最後の試合は、V・プレミアリーグの優勝決定戦という最高の舞台だった。しかし、連覇を狙ったパナソニックはセットカウント1-3で堺ブレイザーズに敗れ、宇佐美のラストゲームを優勝で飾ることはできなかった。
引退する宇佐美選手のインタビュー中心の記事です。一点、北京五輪を一緒に戦った朝長選手についての言及についてだけ一言。
朝長は人を使うのがすごくうまかった。不器用なりに「僕はこのトスしか上げられません」と割り切っていて、その分アタッカーに頑張らせることができた(笑)。
私が思うのは、朝長選手はいつでもアタッカーの能力を引き出すセット(トス)を上げるように努めていたこと。それは「僕はこのトスしか上げられません」だったからかもしれませんが、「アタッカーに頑張らせる」為ではなくて、アタッカーがあれこれする余地のあるセット(トス)を上げていたんだ、ということだと思うんですよね。アタッカーがあれこれしようと思っても、そうできない、その余地のないセット(トス)があがってきたのではどうしようもないわけです。そのあたり、朝長選手は知ってか知らずか、セッターというポジションの本質を体現していた気がします。