バレーボール女子のワールドグランプリ(GP)決勝ラウンド最終日は24日、東京・有明コロシアムで行われ、日本はロンドン五輪金メダルのブラジルに0―3で敗れ、初優勝を逃した。日本は4勝1敗の勝ち点12で過去最高の2位。4勝1敗で勝ち点13のブラジルが2年連続10度目の優勝を遂げた。
とのことです。結局のところ、ブラジルの攻撃を防ぐ(ブロックする、あるいはディグする)ことができず、サーブで崩されてこちらの攻撃が単調になり、という試合でした。大会序盤は白星を重ねるけど、最後でボロが出る、といういつものパターンになってしまいました。
私は「ハイブリッド6」の本質を、MBを排し、ある程度ブロックは捨ててディグで頑張り、そのかわりに攻撃の枚数を増やして、相手が取る以上にこっちが点を取ってしまおう、というものだと思っています。が、まず、ディグには限界があります。いくら佐野選手とはいえ、身長は159cmですし、位置取りが優れているとしても守れる範囲には限界があります。あれだけブロックがザルだと、いくらなんでも拾いきれないでしょう。100歩譲って、そこも織り込み済みでそれ以上に点を取れば良いんだ、ということなのかもしれません。それにしては、実況も解説もしきりに「Aパスが返らないとハイブリッド6が機能しない」と言っていた通りに、レセプションが崩されたりトランジションの場面などにおいて、「同時多発位置差(シンクロ)攻撃」(この用語もハイキュー!!のおかげで随分一般的になりましたね)を仕掛ける場面があまりにも少なかったように思います。それではダメなんじゃないの?と私は感じました。MBを排したということは、Aパスが返らないと使えないマイナステンポの攻撃は諦め、ファーストテンポの攻撃を、Aパスが返らない場面でも積極的に使って行こう、という意図の現れだと思っていたんです。それが結局、Aパスが返らないからダメ、だとすると、これまでと一体何が違うのでしょうか。あれならブロックがもう少し増しな分、従来通りMBを普通に入れていた方が良い気がします。
とはいえ、大会初のメダル、しかも銀メダルというのは素晴らしい成績だと思います。他国の多くが調整中、さらに毎度のホームでの開催で有利とは言え、日本もまだまだ調整中ですからその中で最高の結果を出してくれたのではないでしょうか。ハイブリッド6も、正直前述のように「まだその本質を発揮できていない、選手が理解できていない」と感じ、伸び代はたくさんあると思いますので、世界選手権、リオ五輪に向けて、どのように伸びて行くのか見守って行きたいと思います。まさか実況解説の言っていたように、Aパスが返らないと機能しない、で終わるなんてことは無いと信じています。
<追記>
ふと思ったのは、MBを外すことによってそこにレセプションのできる選手を入れ、守備を固めるということも可能だよな、と思いました。攻撃面だけでなく、守備面でも柔軟に対応できるのが、ハイブリッド6の狙いでもあるのかなと。ただ、そこまであれこれ弄くり回されると選手が対応しきれない可能性が高いですが。このブラジル戦でも、中道選手がファーストタッチを行った際のセカンドタッチを、誰もしに行かないでぽとりとボールが落ちる場面がありましたけど、あまりごちゃごちゃ複雑なことをやるとああいった場面が多くなる可能性があります。それを防ぐ為にはあらゆるパターンを練習して体に覚え込ませることですけど、そこまでの時間があるかどうか。