ネットから少し離れた場所に置かれたリングに、6本中3本、コート後方や逆サイドからの2段トスが入れば練習終了。きれいにスッとリングの中央を通す選手もいれば、「当たったから今のはOKでしょ」と笑いながらアピールする選手に対し、「ノーノー、ニアーね」とフィリップ・ブランコーチは笑顔でバツ印をつくる。
彼こそが、日本男子バレー復活のカギを握る男。
ブランコーチをフィーチャーした記事。
そこで重要なのが『スピード』ですが、これは単純にトスの速さを高めるということではありません。クイックも含めてさまざまなところから同じスピードで攻撃に入る、そしてセッターがその中からベストの選択ができるパスを出すこと。
これは直さなければならない、と彼らには『入れてけサーブじゃダメだ。それでは点数を取る機会にも何もならない』と伝えました。
何人かの選手はそのテクニックを持っていますが、私が思う限り、日本ではまずアンダーハンド、という発想が強く、あまりこの方法を使っていなかったのではないでしょうか
そのうえで、それぞれの役割を明確にし、たとえ決められても『今の攻撃は仕方がない』と共通認識をつくれば、次に引きずることはなくなる。
ブロックは1人で行うものではなく、後ろのレシーブとリンクして、初めてディフェンスになるのです。
シンクロ攻撃、ミスを恐れずサーブで攻めること、オーバーハンドでのレセプション、トータルディフェンス。至極真っ当な当たり前のことを、当たり前に語っていて、今の全日本がその当たり前を当たり前にやろうとしているのだということが良く分かります。
ようやく、こういう人が代表チームのコーチになってくれたのだなぁと。期待しています。