経営方針の違いから、大株主の創業家が現経営陣に退陣を求めていた婦人下着販売、テン・アローズ(旧シャルレ)の株主総会が27日午前、神戸市中央区の神戸コンベンションセンターで開かれた。総会で、創業家側は議長を務める三屋裕子社長(48)の不信任動議を提出し、可決。議長は創業家の林勝哉氏(38)に交代した。さらに創業家側は、三屋社長ら全取締役7人の再任に反対、代わりに林氏を社長に、実母で創業者の宏子氏(69)を取締役などに選任することを求める修正動議を提出、賛成多数で可決した。
結局あっさりと退陣要求が認められてしまいました。
「1980年のモスクワ五輪のとき、代表に選ばれ、もしかしたら金メダルがとれるかもしれないとされていたのに、突然日本のボイコットが決まり、どこにその悔しさをぶつけていいか分からない複雑な思いだった。あのときと似ている」
悔しさがにじみ出ています。
「素人の限界は分かっていたはず。この時点で退陣を求めるのなら、なぜ社長に招聘(しょうへい)したのか」
テン・アローズの大株主で創業家の林勝哉氏が、27日の株主総会に三屋氏を含む取締役7人の退陣を求める修正動議を提出することについて、業界関係者はこう首をかしげる。
三屋氏はロサンゼルス五輪の銅メダリストという輝かしい経歴を持っているものの、平成16年に同社社長に就任した時点では経営について全くの素人だったからだ。
そんな三屋氏に白羽の矢を立てたのは、林氏の母で創業者の宏子氏だ。当時、同社は価格競争激化やインターネット通販の普及、悪質業者横行による訪問販売のイメージ低下などで、主力の婦人下着の訪問販売は苦戦を強いられていた。
そこで「訪問販売や企業のイメージ向上」を目指し、知名度が高い三屋氏を社長に招いた。
「経営面では素人だったが、広告塔としては抜群の存在感だった」。同業他社がうらやむ通り、「五輪メダリストの転身」は世間の耳目を集めた。マスコミに取り上げられ、顧客獲得や社員のモチベーション(やる気)向上といった相乗効果も生まれたという。
結局のところ…三屋氏には失礼ですが、そもそもの就任劇が「広告塔」としての効果を狙ったものであったと。その効果が薄れてきた今、用済みということでお払い箱、ご苦労様、ということなのでしょう。
三屋氏自身はおそらく、そういう周りの声を撥ね退けるために勉強し、さぁこれからというところだったのでしょう。気の毒ですねぇ。