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バレーボールの女子世界選手権は13日、東京で準決勝2試合が行われ、日本は北京五輪の覇者で世界ランク1位のブラジルと対戦。2-3で敗れ、3位決定戦へまわることになった。日本はあす14日、銅メダルをかけて米国と対戦する。
テレビ観戦しました。いやはやとんでもない試合でした。
日本が1、2セットを先取できたのは、徹底したジャケリネ選手狙いのサーブが有効だったからでしょうね。WGPの時も同じようにして崩し、日本が勝利をものにしています。ブラジルと戦う際には、もう定石と言って良い攻め方。
そこから、サイドに攻撃が集中したところ、ブロックでうまくワンタッチをとって切り返すなり、抜けてきたボールをディグで繋ぐなりで、得点に結びつけていました。それほど本数は多くはありませんが、珍しくセッター前の速攻を使うなど、相手ブロックをかく乱することもできていたと思います。
しかし3セット目になると、どうもリズムがおかしくなります。ジャケリネ選手に変わってサッサ選手が入ったことで、ブラジルのサーブレシーブが安定感を増し、攻撃もばらけ始めます。当然、この手を打たれることを日本のスタッフは想定していたと思うのですけどね。かといって、有効な打開策も無く、ブラジルに良いリズムを持って行かれると、今度は日本がばたばたし出してこのセットを失ってしまします。
せっかく序盤で良いリズムを作ったのですが、そのリズムがどうして生まれたのかを忘れてしまったかのように、日本の攻撃はサイドサイドとどんどん単調になってしまいました。もちろん、この日の木村選手、江畑選手のできは素晴らしく、一番信頼できるところにトスを上げたくなるのは分かるんですが、それにしても後半は集中し過ぎでしたね。もう少し我慢して、トスを散らすことはできなかったでしょうか。アタック本数が多かった為、特に守備の要も担う木村選手には、3セット目辺りから疲労の色も見えましたね。競ってくると慌てるからなのか、トスが低くなる竹下選手の悪い癖も随所に見られました。
日本がブラジルに対してここまで戦えるようになったのは、2段トスを打ち切れる、打ち切れない場面でもなんとかできるサイドアタッカーが表裏と2枚揃ったことが大きいと思います。しかしだからといって、そこに依存し過ぎているのが現状でしょう。依存するのではなくもう少し、この二人を有効に使えると良いのですけどね。本当に大事な場面で活躍してもらう為に。
一つ気になったのは、佐野選手のアンダーでの2段トスの精度が、この日はかなり低かったこと。素晴らしいディグを連発していただけに、いささか残念でありました。もちろんオーバーパスでもミスすることはある訳ですから、この日の不調をアンダーで2段トスを上げているから、というつもりはありませんけど。
というわけで、ブラジルを大いに慌てさせたと同時に、これまで課題としてきたことが更にはっきりと見えてきた試合であったなあと思います。
それにしても、ここに来て突然の迫田選手→石田選手の登録選手入れ替えにはびっくりしましたね。結果的に彼女のサーブは非常に有効で、入れ替えは成功でしたね。素晴らしい。
<スポーツナビ>
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