全日本女子、負けから見えた追求すべき点=バレーW杯/スポーツナビ[インドア女子トピックス]
(2011-11-08 07:47:22)


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「正直、厳しいとは思う。この3戦は、とにかく全部勝ちたかったです」

 第3戦(6日)の中国戦後に木村沙織(東レ)が発した、率直な思い。苦しい状況になることはわかっていたし、まだ残りは8試合もあるのだから、悲観してばかりはいられない。それでも、この2敗が重くのしかかるのはなぜか。

大変興味深いコラム。今までなかなかメディアが指摘してこなかった、日本の抱える問題点をはっきり指摘しています。

見方を変えれば「サーブレシーブを正確に」ではなく、「サーブレシーブが崩れたらどうする」を追求すべきなのだが、今の日本はどうか。

男子も女子も、年々サーブが強力になっており、サーブレシーブ成功率を向上させるのはなかなか難しくなって来ています。日本はずっと、このサーブレシーブ成功率を向上させることを目指し、敗戦後には決まり文句のように「サーブレシーブが乱れたから」「サーブレシーブが返らなかったから」と言い、テレビの解説陣も口を揃えて「サーブレシーブさえ返れば日本は世界に負けない攻撃をするんです」などと宣ってきました。

何度も言っているように(このブログで書いたかちょっと覚えていませんが)、昨年の世界選手権では木村・江畑両選手の、レシーブが乱れた際のハイセットを打ち切る力こそがメダルの原動力となったはずです。そこから学ぶべきことがあったはずなのですが、それを無視して今年の全日本女子は「0.8秒」などという根拠の無い数字を掲げ、「トスの高速化」などという愚行に出ました。結果、頼みの綱である木村選手が調子を落とすという、本末転倒な事態を招いています(ここのところ、トスをゆっくりに戻した為か、復調していますが)。

更には言うに事欠いて、眞鍋監督のコメント。

「日本には中国のように、乱れた状況で打ち切れるような絶対エースはいない。木村、江畑はよく頑張ったが、最終的に相手のブロックに捕まるか、ミスにつながる展開を招いてしまいました」

木村選手や江畑選手がブロックに捕まるのは、大抵、トスが短かったり低かったりで、体勢不十分な無理な体勢でスパイクを打たされた時です。良いトスが上がり、体勢充分で相手のブロックを見る余裕が有る場面で、被ブロックなどというのはほぼ無いはずです。もちろん、難しいトスを打ちこなす技術だって、特に木村選手などは世界有数のアタッカーたちに引けを取るとは思いません。コートの後方、ほぼ真後ろから上がってきたハイセットを、あれだけ見事にクロスに打ち抜く選手を、僕は他に知りません。監督は、何か大きな勘違いをしていませんか。

優先すべきは、「如何にアタッカーに楽にスパイクを打ってもらえるようお膳立てをするか」なんです。ブロックの枚数を減らす努力だって、引いては「アタッカーに楽にスパイクを打ってもらえるようお膳立てをしている」ということなんです。ブロックの枚数を減らすことばかりに気を取られて、アタッカーが打ち難い状況を作り出してしまうのでは意味がありません。例えブロッカーの枚数が揃ってしまうとしても、アタッカーが十分な大勢で打てるトスを上げることを最優先すべきです。

崩れた後どう戦うか、チームのオプションを増やすための、絶好の機会だととらえればいい。

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