バレーボール女子のロンドン五輪世界最終予選(5月19日~27日)第5日が25日、東京体育館で行われ、全日本女子はキューバと対戦し、3-2(25-23、18-25、25-16、23-25、17-15)で勝利した。
現地で観戦してきましたよ。今回は自由席だったので3階の大分上の方でしたが、十分観戦できますね。がむしゃらなんとかの人たちが少しうるさかったのがあれでしたが、まぁ、彼らも一生懸命応援してくれてるということで。あと、フルセットの長時間に一緒に行った小学校2年生の長女は耐えられず、4セット目が始まった辺りで急にトーンダウンし、最終セット後3点くらいのところで力つきて寝てしまいました。惜しかった。もう少しだったんですけどねぇ。
試合の方は、懲りずに山口選手をスタートで使った時点で「あー、これは負けるかもな」と思いました。案の定、キューバの強烈なサーブにレシーブを乱され、終始後手後手に回る展開。韓国戦とまったく同じ展開でした。ところが第1セット終盤、突如キューバの4番がおかしくなってミスを連発。木村選手のサーブが相手のレシーブを崩したことも有りましたが、それにしても簡単にミスをしてしまいます。これに助けられ、良いのか悪いのか第1セットを取ってしまいます。
第1セットを先取したので、スタメンは変わらず。が、またもや第1セットを同じ展開です。日本はサーブでキューバを崩せないのに、キューバのサーブに崩される。中盤で岩坂選手に代えて平井選手、山口選手を下げて新鍋選手、江畑選手に代えて迫田選手を入れますが、一度失ったリズムを取り戻すことができません。そのまま第2セットを落としてしまいます。
驚いたのが第3セット。眞鍋監督、第2セット終盤のメンバーのまま、新鍋選手、平井選手、迫田選手をスタメンで起用するという思い切った采配に出ました。正直「極端だな」と思いましたがリズムを代えるにはこれくらいして良かったのかもしれません。新鍋選手がサーブレシーブで広い範囲をカバーして木村選手の負担を減らし、平井選手がしつこくブロックに飛んで相手MBの高いクイックのワンタッチを取り、迫田選手の思い切りの良さで相手ブロックを切り裂く。このスタメン変更が功を奏し、3セット目を取り返すものの、4セット目はまた取り返され、フルセットにもつれ込みます。
最終セットも一進一退の攻防が続き、なかなか抜け出すことができません。そんな膠着状態を救ってくれたのが、キューバのミスでした。レシーブを崩す為には強いサーブを打たなければならないので仕方ないとはいえ、キューバは最終セットの大事なところでサーブミスを少なくとも2本、そして日本の最後のポイントも、キューバのスパイクミスでした。逆に日本は、攻めの姿勢を最後まで崩さず、かつ大きなミスも出さずに最後まで戦えたのが、勝利を引き寄せましたね。
とにかく、勝ててホッとしました。
どうも、記事などを見ていると「この試合のMVPは迫田選手」みたいな論調ですが、私はそれよりも新鍋選手の方を推したいですね。迫田選手があれだけ暴れられたのも、新鍋選手が入り、サーブレシーブが安定した為、キューバがブロックの的を絞り切れなかったというのがあると思いますので。
気になったのは、日本のジャンピングフローターサーブの有効性が、以前より失われているのでは無いかという点。キューバのレシーブを思うように崩せなかったこと、この間の韓国戦でも同様でした。相手が無回転サーブに対応してきている、慣れてきているというのは絶対に有るので少しサーブにバリエーションを持たせるのが良いと思いました。その点、新鍋選手のスパイクサーブは良いアクセントになっていましたね。あと、良い弾道でサーブは入っているのですが、相手レシーバーの正面に行くことが多い気がします。これも、もっとコースを工夫することで相手を崩すことができるのでは、と思っています。
正直なところ竹下選手、この試合はあまり良く有りませんでしたね。第一セットの相手に選考された場面で、既にテンパってセット(トス)が低く速くという兆候が見られました。ああいう場面で中道選手に代えてリズムを変えるというオプションは無いんでしょうかね?まぁ、第1セットはその後相手に助けられて取ってしまったわけですが。中道選手、2枚替え限定要員とかもったいないです。それになんですかね、この日はMBの攻撃をほとんどと言って良いほど使いませんでしたね。最終セット終盤など迫田、迫田、迫田、になってドキドキしてしまいましたが、キューバが全く対応できずに助かりました。「そこでクイック使いたい!」っていう場面が試合中、何度もあったんですけどね。竹下選手はどうも試合全体の組み立てよりも、「とにかく今一番決定する可能性の高いと思われる選手」のところにセット(トス)する傾向にあるので、それがどうも引っかかります。