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バレーボール男子のロンドン五輪世界最終予選(6月1日〜10日)第2日が2日、東京体育館で行われ、全日本男子がベネズエラを3-0(25-20、25-20、32-30)で破り1勝1敗とした。ベネズエラは2連敗。
テレビ観戦しました。日本は前日と打って変わって、サーブを大変慎重に打っていましたね。特に宇佐美選手や山本選手については、前日の3セット目同様、ほぼ強いサーブを打つこと無く、とにかく入れて行くことに専念しているように見えました(山本選手は要所で強いサーブを打つ場面も見られましたが、その後すぐに入れていくサーブを打ってミスするなど、ちょっとちぐはぐでした)。前のサーバーがミスで終わっていたら、次のサーバーはまず入れていくこと、といった暗黙のルールがあったようにも見えましたが、その入れていくサーブをミスしてしまう場面が何度かありましたね。攻めて行く場面と入れていく場面と、どうもきちんと判断できているとは言い難い状態だったと思います。
一見、これによって見かけ上のミスが減り、勝利を呼び込んだように見えますが、実は、若いベネズエラのミスの多さに助けられた部分が多分にあります。というより、ベネズエラのミスが多かった為に勝てたに過ぎません。
ベネズエラの11(ミドルのAクイック)は高く、力強く、はまった時には日本は全くブロックでつかまえることができていませんでした。要所でミスが多く脅威にまでは至りませんでしたが、セッターにしろMBにしろ、これから経験を積んであの攻撃の精度が上がってくると、日本はもっとサーブで攻め、相手のレシーブを崩し、あの攻撃を封じなければ手も足もでない状況に追い込まれることになるでしょう。
サーブにしても、日本とは対照的にベネズエラは終始攻めの姿勢を崩しませんでした。その為にミスが多く、ベネズエラの自滅という形になってしまいましたが、あのサーブの精度がこれからもっと上がってくるのだと考えると、今回はまだ出来上がっていないチームと対戦できただけで、ラッキーだったと思わざるを得ません。
日本自身、まだまだ問題が山積であり、顕著なのが宇佐美選手のMBに対するセット(トス)で、どうしてあんなに低いんでしょうね。山村選手は顔の前、松本選手も不自然に体をひねって打点を下げて打っています。逆に、最高打点で打てる高さのセットが上がってきても、フルスイングできずに押し込むだけという情けなさ。思うにあれは、宇佐美選手だけの問題ではなく、長らく日本のバレーが「低く、速いセットこそ至高であり正義」と勘違いし続けた結果、松本選手にしても山村選手にしても、「そういうセットしか打てない選手」になってしまっているのだと思います。精度は低いけれど、はまると最高打点でブロッカーの絶対届かないコースに強烈なスパイクを打ち込んでいた、ベネズエラのMBとは非常に対照的でした。
これから着実に力を付け、数年後、あるいはもう来年にでも日本の脅威となるであろうことが容易に想像できるベネズエラと、以前からずっと課題とされていることをいつまで経っても克服できないまま今日に至る日本(これ、なんか数日前に別の対象に対して書きましたね)。今回勝ったのは日本ですが、何とも複雑な思いに駆られてしまう試合でした。
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