サトウ氏の解任理由に感じる「やらされる練習」の根深さ[管理人の戯言]
(2014-02-15 16:19:28)


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また、勝とうと思えば練習時間が長くなります。他のチームよりも、長い時間ボールに触れば、それだけ上手になるというのはまぁ、当たり前ではあります。しかし子どものことです。他にやりたいこともたくさんあります。毎日毎日練習では、さぼる心も当然生まれます。練習中に手を抜くこともあるでしょう。すると指導者は、そこを埋める為に更に練習時間を延ばします。小学生でもとあるチームは、週6日、平日は夜の9時まで練習するところもあるようです。

そんなことをすれば、練習がいやになる子もいるでしょう。そういう子には、有無を言わせず罵声が飛びます。どんどん、子ども達は萎縮して行きます。指導者には何も言い返せません。恐いから。怒られるから。口答えすると罵声を浴びせられたり、懲罰ワンマンが始まったりします。プレー中にミスをしても同様です。

子ども達はいつしか、言われたことに「はい」「はい」と従うだけなります。指導者に怒られないよう、顔色をうかがいながらプレーします。ミスをするとまず、怯えた顔で指導者の顔を見ます。試合で負けそうになると、負けることよりも、負けた後に指導者に怒られることばかり考えてしまって、どんどん萎縮してしまいます。

そうやって、子ども達は「考える力」を失って行きます。

とは言え、このような指導者も少しずつ減っていると聞きます。しかし、私が見ている範囲でも、まだまだ根強く残っているようです。練習試合で選手に罵声を浴びせたり、練習に身が入っていないと怒って途中で帰ってしまうような指導者が。ついこの間もどこかで体罰が発覚して、指導者が資格を剥奪されたりしましたよね。

彼らの指導方針を、今すぐ変えなさい、と言ってもなかなか難しいと思っています。それこそ、指導者講習会のカリキュラムを見直すくらいではどうしようもないでしょう。

これらを変えて行くには、やはり新しい指導者がどんどん出てくるしか無いと思います。新しい指導者が新しい、スパルタでない指導法を実践すれば、子ども達や保護者らもそちらのチームを選択するでしょう。そうして自分のところに選手が集まらなくなれば、心ある指導者は自らの指導方針を改めるかもしれません。そうでなければ、淘汰されて行くのみです。

しかし現状は、新しい指導者が出てき難い状況にあると思います。私が知っているとある地域の小学生バレーなどは、既に練習場所の確保が難しいような状況になっていて、新しいチームを起こすというのはなかなか難しいです。運良くどこかのチームを受け継ぐようなことになるとしても、今度は指導者の資格を取る為のハードルが高かったりします。全国で年に数回しか、資格を取る為の講習会が開かれなかったりします。とある東京のチームの監督さんは、必要にかられ、仕方なく鳥取まで講習を受けに行ったと言っていました。

そんな感じなんです現状は。それを、6年後の東京五輪までになんとかできますか?ほんと、今更って感じなんですが。ただ、東京五輪に間に合わないとしても、その先も考えれば、これは本腰を入れて取り組まなきゃいけない問題であることに間違いは無いです。果たして具体的にどんな手を打って頂けるのか、楽しみではあります。指導者講習会のカリキュラム変更とバレーボール教室以外の何かが出てくることを期待しています。

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