最初は監督と選手一人ひとりに言及していたんだけれど、あまりにいやらしいのでやめました。そしたら随分と無難な文章に。まぁいいか…。
4年前より弱くなってしまったな、というのが正直な感想。4年前と比べて何が足りないのかと言えば、優勢劣勢に関わらず常に声を出しチームを鼓舞する存在(4年前の吉原選手)と、スーパーサブ的に途中出場で劣勢をひっくり返すだけのポテンシャルを持ったサイドの選手(4年前は佐々木選手)。
個々の選手は確かにうまくなっているのが見て取れるけれど、チームとしてまとまっていませんでしたね。多治見選手が最後にスタメンで出て、チームを引っ張る存在になれることを示しましたけど、彼女だけではちょっと厳しい。もう一人くらい欲しいです。それと、サイドの控えは必須です。大砲タイプは大山・栗原・小山の3選手で争ってもらうとして(故障が癒えれば、ですが)、守備力のある選手がもう一人は欲しいですね。
また、「守りの日本」などと言われていましたけど、難しいボールに対する好プレーは確かにあったけれど、それと同じくらいイージーなボールをミスする場面が見られました。もっと基本を磨くべき。ドシャット食らうより、チャンスボールを相手コート返してしまってダイレクトで打たれる方が、遥かに精神的ダメージは大きいです。それはリベロの佐野選手にも見られて、彼女は強いボールの勢いを殺すことは非常にうまいんですが、ゆるいボールの処理がちょっと下手だなぁと感じました。
ブロックに関しては、非常に良くなっていたと思います。あれだけスパイクレシーブをあげられたというのは、ブロックの基準がしっかりしていてコースが限定できていたからでしょう。
戦術的には、高橋選手以外においても速さを極めていくのかどうか、きちんと監督が決めるべきでしょう。栗原選手や木村選手に対するトスが、中途半端に見えます。特に栗原選手。トスのぶれに対応できず、体制不十分でブロックの正面に叩きつけている場面が本当に多かったですね。どうせあの中途半端な高さのトスでは、相手ブロックを振り切ることはできませんから、思い切ってもっと高いトスにしても良いのでは。その方が栗原選手もきっちり打ち切ることができるでしょう。
竹下選手のトスが、レシーブがきちんと返ったときには良いのだけれど、そうでないときにぶれ幅が大きいのもちょっと気になりましたね。彼女はそれでも正確なトスが上げられるという印象を持っていたのですが…。
「サーブレシーブさえきちんと返れば」という台詞も、大分聞き飽きましたね。女子の男子化が進んでいる昨今、サーブは厳しさを増し、サーブレシーブ成功率は下がっていくことになるでしょう。これからは、サーブレシーブが返らなかった場合にどうするのか、を考えることがとても重要です。そうした時に2段トスを打ち切ることができる選手としての、栗原選手と大山選手だったはずですよね、4年前は。うーむ。
2段トスをアンダーハンドで行う選手がちらほらいるのも「?」。コートの外からあげるような場合はともかく、コートの真ん中当たりからアンダーで、というケースも見られました。そんなにパス力が無いのでしょうかね。
とにかく、高さとパワーで劣る日本はプレーの精度で勝負するしかない。にも関わらず、相手よりイージーミスが多いです。チャンスボールが大きすぎて相手コートに返ってしまったり、2段トスが短かったり、ダイレクトをふかしてしまったり。攻撃のバリエーションを増やしていくというのは、これからはなかなか難しいでしょう。個人の運動能力にもよりますし。それよりもまず、基本部分をもう一度磨きなおすべきじゃないでしょうかね。サーブレシーブ以前に、パスすらきちんとできないのでは、バレーボールとして成り立ちません。基本大事。
柳本監督においては、怪我人ばかりでほんと、逃げ出したくなるような状況かと思いますが、チームに何が必要なのか、もう一度きちんと考えなおして頂きたいと思います。それと「ナイス頑張りー」は、訳が分からないので止めたほうがいいと思います。そりゃみんな頑張ってますよ。