バレーボール女子の世界選手権第7日は2日、イタリア各地で2次リーグが行われ、E組の日本はドイツに3-2で競り勝った。1次リーグから持ち越した成績と合わせて2勝3敗の勝ち点8で4位。
試合、TVで途中まで観て寝落ちしてしまい(すいません)、しかし今回の世界選手権の全日本女子を観るのは初めてだったのですが、チームとしての状態の悪さがはっきりと見て取れましたね。セット(トス)を速く速くと意識するあまり、低くなり、アタッカーが体勢不十分で打ち切れない場面が何度も何度も(というか全部?)見られました。迫田選手、頑張って良く打っているのですが、彼女の大きなフォームからの豪快なスパイクがすっかり陰を潜めていませんでしたか。他の選手もみなそうでした。相手の高さを意識するあまり、とにかく速く、速くで、アタッカーそれぞれの長所をスポイルしてしまっている気がしました。
サーブレシーブが大きく乱されていたのも、それと大きく関係していると思います。セッターにパスが返らないと速い攻撃が仕掛けられない(実はセッターに返っても、あれだけの速いセットをピンポイントで供給するのは非常に難しいのでパスがきちんと返ってもあまり結果に関係ない気がします)ということで、なんとしてもセッターに返さなければならないという大きなプレッシャーがレシーバーに大きくのしかかっています。また1セット目、宮下選手はよく頑張っていたと思うのですが、レシーブが乱れている場面でまずセッターを中道選手に代えてしまうのも良くわからない采配でした。高さが無く、ネットを越えるとほぼ相手の得点になってしまう選手がターゲットでは、余計にレシーバーにプレッシャーがかかります。実際、宮下選手が上手く相手コートに押し込んだ場面と、中道選手が成す術無く相手にダイレクトスパイクを打たれる場面と、どっちもありましたね。
なんというか、ミドルには(監督の要求する)基準に満たない選手がいないからと、ハイブリッド6という苦肉の策を打ち出したはずなのに、セッターについてはその選手の長所を生かそうとせず、どうにも「型にはめよう」としているような気がしてなりません。宮下選手にも中道選手にも、竹下選手並のセットの精度を求めてやしませんか。二人とも、竹下選手ではありませんし、竹下選手にはなれません。しかし逆に、彼女たちなりの長所があるでしょう。
せっかくのハイブリッド6も、「速く速く」という意識によって、その良さがまったく発揮できていないように見えます。ハイブリッド6の狙いは、速い攻撃でブロックの隙間をかいくぐることですか?何の為に、サイドの選手を多く入れているんでしょう。「攻撃力」って、なんですか?なんというか、とてもちぐはぐな印象を受けた、そんな試合でした。
そんな状態の悪い中でも、なんとかフルセットで勝利をものにできたのは大きかったと思います。しっかり次の試合では修正して欲しいですね。