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ご無沙汰しております。太鉄です。この記事は、バレーボール1 Advent Calendar 2019 の 12月20日(金)の記事です。
アドベントカレンダーに参加することにして、何を書こうか何と無くは決めていたのですが、この時間(22時)になっても全く考えがまとまりません。とにかく、小学生バレーに関わるようになって、今感じていることをつらつらと書いておこうと思います。
小学生バレーで最も最近話題になったことといえば、大分での保護者による、指導者の体罰隠蔽事件かと思います。
そしてこの件に関して、バレー関連のみならずあちこちで触れられています。
大分県日出町の現実が、日本のバレー界の縮図だろうと思います。
こうして読むと、隠ぺいを当然とする一部父母たちの強制的な発言は「異常だ」と感じられるだろう。だが、私がこの原稿を書き、伝えたいのは、こうした空気が実は日本中にあり、子どものスポーツを応援し始めると、「多くの父母たちが陥る、ありがちな感情だ」という揺るぎない事実だ。
サカイクでは、これがまるでバレーボールに限った問題のように書かれているのが残念です。これは、バレーボールに限った話ではなく、どのスポーツでも抱えている問題だと思います。野球でもサッカーでも、表に出ていないだけであちこちで同様の問題が今まさに起こっているのではないでしょうか。別に、バレーボールばっかり責めるな、お前らだっておんなじだろう、と言うつもりはありません。ただ、これをバレーボール特有の問題と考えているうちは、いつまで経っても日本のスポーツに未来はないだろうと思うのです。
私が小学生バレーボールチームを立ち上げた時、一つ考えていたことがあります。これだけ体罰や暴言、スパルタ指導などが問題になっている昨今、それらとの決別、選手の将来を見据えた指導、保護者の当番などのお手伝いも一切なしというのを前面に押し出せば、自然と人は集まり、逆に旧態依然とした指導から脱することのできないチームは人が集まらなくなり、自然と淘汰されて行くのだろうと思っていたわけです。しかし当ては外れました。ほとんど休みなく週6で活動、当たり前のように保護者の当番があるチームに、「強いから」「勝てるから」と言う理由で人が集まります。この間も、とあるチームの指導者から「チームの中心選手が『勝ちたいから』と、隣の地域の東京都大会常連チームに移籍してしまった」という話を聞かされました。例えば、体罰・暴言などが酷い、指導者の指導が合わないから移籍、というのは当然有りだと思います。それが「勝ちたいから」というのはどうも。お子さん本人は、今のチームの仲間とバレーボールを続けたいと、泣きながら移籍していったそうです。どこまで本当かわかりませんけれども。
得てして小学生バレーなんて、どれだけ運動神経の良い子、スポーツの得意な子、体格の良い子が集まるか、で勝ち負けが決まってしまいます。なので、良い選手が集まるところにはどんどん選手が集まって、そうでないところにはいつまで経っても良い選手が集まらない。新興のチームが一部の例を除いて、なかなか勝てるチームになれない大きな理由の一つだと思います。
結局のところ、そうやって子供に勝ってほしい、勝たせたい保護者が存在し続ける限り、古臭い指導を行うチームは、指導者は淘汰されることはありません。需要があるから供給があるわけです。ただ、勝てるチームってのは一握りな訳です。その一握りのチームに、少子化でただでさえ減っている子供が集まってしまう。逆に、目先の勝利よりも子供の未来を考える、今は勝てないチームが淘汰されていく状況になっています。
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