植田監督が受け継いだ「イズム」[管理人の戯言]
(2008-06-08 07:02:34)


金メダルに輝いた"ミュンヘン組"にも、新たな世代の五輪出場は感慨深い。「3年前に死にかけていた男子バレーが、植田の人間教育で生き返った」と監督を称賛するのは、ミュンヘンで監督だった松平康隆日本協会名誉会長。「日本らしいハートのこもったチームを作ってくれた」とは、バルセロナ五輪で監督として、主将だった植田氏に"ミュンヘン魂"を植え込んだ大古誠司氏だ。

さて、このお二方の「イズムを受け継いだ」と発言された植田監督。アナウンサーは「お父さん」などとすっとボケたことを言っていましたが、試合終了後、床に突っ伏した状態から起き上がり、最初に駆け寄って抱き合ったのが大古さんでしたね。

正直、上記発言については一瞬引きましたが、事実なんでしょう。日本バレー界の根強く残る古い体質がこれからも引き継がれていくのかと。ここで再び五輪出場を決めたことで、それはさらに強固なものになっていくのではないかと。

しかし良く考えてみると、植田監督の引き継いだ「イズム」というのは、「監督」としてのそれなのかなぁ、という気もしています。大古ジャパン(当時はそんな言い方はしていませんでしたが)の頃のメンバーは、今でも家族のように付き合いがあると聞きます。そういった、厳しいけれども、厳しいからこそ一体となるような、大家族のような全日本チームを植田監督は作ろうとしたんじゃないかな。苦しみも喜びも共有した仲間というのは、他では相容れない一体感を産むことがあります。それが今回の植田ジャパンだったのではないかと。

ただしそれでもやはり、五輪出場を決めたことで、日本バレーボールの現状が「これでよし」とされてしまう危険はあります。非常に不安ですね。16年ぶりの五輪出場はほんとに素晴らしいことだけれど、それだけで満足せず、より良い方向に変わっていけるよう努力して言って欲しいなと思います。植田監督はきっと、監督を退いた後は協会の要職に就くのでしょうし。



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