アテネ最終予選兼アジア予選登録候補メンバーに思う[管理人の戯言]
(2004-02-23 23:33:08)


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津曲勝利(サントリー)

分かりますか?そう、見事に所属チームがバラバラなんです。ご丁寧に、リベロの津曲選手まで含めて。

女子がW杯である程度の成績を残せた一つの要因は、攻撃の軸が一本、いや二本、しっかりしていたからだと思います。一本は杉山選手。一本は高橋選手。この二人が要所できっちり仕事をしていたからこそ、メグカナがあれだけ活躍できたんでしょう。そして、その二人と絶妙なコンビネーションを生み出していたのが、セッターの竹下選手。彼女、現在はJTに所属していますが、元はNECに所属しており、全日本も含めて長い間、杉山・高橋両選手とコンビを組んできました。そこから来る信頼感というか、阿吽の呼吸というか、付け焼刃では決して生み出せない力が、全日本女子の攻撃を支えていました。

日本は、高さとパワーでは諸外国に劣ります。では、オリンピックでメダルを取る為に、何で勝負すれば良いのでしょう。精神論云々なんかもありますけど、やはりプレーの精度を増すことではないでしょうか。

それは、速くて強いサーブを狙ったところへ的確に打つことだし、相手の強烈なサーブをきっちりとセッターへ返すこと。そして、セッターとアタッカーの正確なコンビネーションでしょう。

W杯での全日本男子は、あまりにもセンターからの速攻が少なかったように思います。近代バレーではセンターからの速攻が少なくなる傾向にあるとは言え、いくらなんでも少な過ぎました。センターがブロックを引きつけられない為に、レフトやスーパーエースの負担が増えました。もちろん、速攻が使えなかったのにはサーブカットの返球(成功)率が低かったことと、センター二人のスキルの問題もあるでしょうが、何よりセッターとのコンビが合っていなかったのが最大の原因だと思います。

この、セッターとアタッカーのコンビネーションは、そん所そこらのコンビネーションではダメです。劣っている高さとパワーを補おうというのですから、少なくとも諸外国よりも精度を高めなければなりません。そんなコンビネーションが、たった数ヶ月の合宿で培われるものでしょうか。否。これは長年同じコートで、同じチームでプレーしてこそ、初めて生まれてくるものでしょう。

ちなみに、選手同士のコンビネーションというのは、何も攻撃の時に限った話ではありません。例えば、サーブカットにも関係があります。スパイクサーブは、相手選手の手から放たれて自陣コートに突き刺さるまで、0コンマ何秒の世界です。当然、打たれてから反応したのでは遅いです。相手のフォームを見てある程度コースを読むわけですが、この時、レシーブをする選手の守備範囲がとても重要です。そのボールは誰が取るのか、瞬時に判断しなくてはいけません。いや、正直なところ、判断している暇なんてないです。だから、それぞれの守備範囲を、体に覚え込ませなければなりません。これも、一朝一夕では成し得ないコンビネーションです。

W杯の戦いを見て、私は全日本男子の一番の強化ポイントは、センター線の強化だと感じました。それも、ブロックではなく攻撃面での強化です。理由は前述の通りですね。ブロックを引き付ける為には、何よりもまずスピードです。リードブロックが間に合わないくらい速いタイミングで、相手にコミットで飛ばせることを最優先すべきです。それにはやはり、セッターとアタッカーのコンビネーションが重要となってきます。その為には、女子のように同一チームの選手を何人かスタメンに揃えるのが手っ取り早いです。既に出来上がっているコンビネーションの、後は完成度を高めていけば良いのですから。だから、宇佐美選手を正セッターに据えるなら、青木選手か菊地選手の最低でもどちらかをメンバーに加えるべきだし、もしも斎藤選手をセンターとして選出するなら、山口選手を控えでも良いから選出するべきだし、当然、そういう人選がなされるものだと思っていました

さて、今回の候補メンバーに話題を戻しましょう。セッターとして選出されたのは、真鍋選手(松下電器)、宇佐美選手(NEC)、阿部選手(東レ内定)の3名。これに対してセンターは、齋藤選手(東レ)、小林選手(東レ)、伊藤選手(堺ブレイザーズ)、山村選手(サントリー)の4名。阿部選手は東レに内定していますが、今リーグでは一度も出場していません。

……正直、田中監督が、日本バレーボール協会が何を考えているのかさっぱり分かりません。杉山選手が出場できることになって、それで満足なんでしょうか。それともあくまで、W杯のあれは戦術であって、レフトとスーパーエースの3人だけで攻撃を組み立てるつもりなんでしょうか。センターブロックが追い付けないほど速い並行トスなど使えばそれでも行けるかもしれませんが、そんな速いトスを打つにはそれこそコンビネーションが重要なんですけどね。

とにかく、候補が決まってしまったから仕方がないです。時間はないですが、なんとかお互いのコンビネーションを高めていって欲しいです。

<追記>
あくまでもサーブ&ブロックにこだわるならば、松下電器の北川・今井両選手のうちどちらかが選ばれても良かったのではと思います。少なくとも今シーズン、松下電器はそれで成功しているわけですから。

<更に追記 2/24>
センターと言えば、W杯出場メンバーの中からJT・尾上選手が外れています。

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